5月
2009.05.15 Friday キトラの壁画公開
先日 当麻寺の練供養目的で、ちょっと友人と出かけてきました
練供養は5月14日と決まっているのですが
たまたま店の定休日木曜とかち合う年なんて滅多にないのです
これは行かねば!と前々から楽しみにしておりました
(しかし・来年は定休日云々の問題以前に店はあるのか??
毎日定休日かもしれない・・まあ 考えてもどうしようもない事は
考えるのをやめよう)
練供養は午後4時からですので せっかくだからその前にどこかに
行こう ということになり
現在 絶賛公開中のキトラ古墳の壁画
に行く事にしました
公開が今回4回目です
前の白虎公開時は 入場者3万人!とか何時間待ち!
とか普段の、のんきな飛鳥からでは考え付かない状況だったみたいでして
そもそも 奈良で行列して何か見る・・
なんてほとんどありえない光景でして・・正倉院くらいです
これはもう本当に異常事態なことなのです
しんどそうなので今まで行く気がどうにもしなかったのですが
これでも一応大学で考古をちょろっとやった身でありますから
一回くらいは見ておかないとね・・
しかし今回は青龍もお目見えです
どうなるのか?寿司詰めか?奴隷船の中常態か?修羅か?
まず橿原神宮駅で下りて
(資料館の前売り券500→400円を
改札で売ってますのでお得です)
飛鳥資料館行きの臨時バスとか出てます さすがです
片道260円
注意
飛鳥なので飛鳥駅から行くイメージがありますが
飛鳥は観光地なのにヤル気あんのか?!と思うほどバスが少ないです
なんせ 名称が かめバスですから 仕方が無いです
飛鳥駅から飛鳥をめぐる人はレンタルサイクルがおすすめ
というか必然的にそうなります
私達は飛鳥に行く時はいつも 飛鳥駅からレンタサイクルをかりて
丘を越え野を越え ヒーコラしながら飛鳥をめぐっていたので
一箇所の目的地の為にバスを往復とはエライ贅沢してしまった
気分になります まあ大人だし このくらいは許されるでしょう
楽々あっけなく到着
間違えていけないのが キトラの古墳公開は
キトラ古墳でやっているのではなく
飛鳥資料館でやっているということです
さあ いざ!戦いへ
とおもったら
定休日じゃないですよ
行列用のテントが所在無さげにたたずんでいます
・・なんか空いてます 平日とはいえこれは・・空いている!
いや本当にラッキーです
私等二人なのに 交通整理のおじさんが
3人がかりで横断歩道渡してくれた・・
あきらかに従業員余ってます
これは開催者側も予想外の空き様なようです
そういうわけで楽々入場
例年の混雑時に来てた人々に申し訳ない気がいたします
飛鳥資料館は昔来たことがあるような気がしますが
キトラ効果か特需かで綺麗に作り直したみたいです
ここでは 飛鳥に点在するレンタサイクルで
ヒーコラ言いながら回って見るべき 謎の石造物
(レプリカと思いきやホンモノがあったりする)
等が一挙に見られる夢の横着・・いや便利な施設です
説明もちゃんとしてますし
なんか一つの寺の境内で八十八箇所巡りができるよ的で
時間を効率的に使いたい現代っ子にオススメです
でもヒーコラいいながら飛鳥を巡るのはとても楽しいんですけどね
さてキトラの展示
メインは石室から剥いで来たホンモノの壁画なんですが
それに関連した中国などの四神や高松塚古墳の展示なども充実
してます・・というかそれが沢山あって なかなか本丸が見つからず
展示に書いてあったのですけど
高松塚と四神とキトラの四神は同じ型紙から起こした絵のようです
高松塚古墳の壁画は女子群像などキャピキャピしてて絵的にはこちらのほうが
華やかなのですが キトラにあって高松塚に無いものがひとつ・・
なんと高松塚古墳は古の盗掘者によって南の壁がぶち抜かれており
朱雀の絵が残っていないのです・・・盗掘者・・おまえ・・
今回はホンモノの朱雀は展示してなかったのですが
写真展示がありました 立派な朱雀でございました
なんか手塚治の火の鳥にそっくりでした 目なんて二重でキラキラして
ました 古の絵師のDNAが手塚氏に受け継がれていた可能性は大きいです
さて ホンモノの白虎と青龍
丁重に硝子ケースに入ってまして 見下ろす形で御覧になれます
本当に空いているって 素晴らしい・・じっくり見れました
混んでた時はこんなに張り付いて見てられなかっただろうに
申し訳ないです
青龍なんですが 実は肉眼では口の先あたりしかよく見えないです
残念 まあ 1000年以上まえのものだし 仕方ないですね
白虎はよく残ってました しっかり虎です
しかしよく剥いで来たものです かなりモロモロした質感でしたから
相当胃に来る作業だった思います 失敗して コラ!で済むことでは
ないですからね
コラ といえば この壁画の保存方法について発見当時から
キトラ古墳の中で現状維持させるか 壁画部分を剥いでちゃんとした設備で
保存するかで議論されてましたが そうこうしてたら壁画にカビが生えて
来てしまって・・何やっとんじゃコラ!と文化庁は怒られてました
そういうことでもうしょうがないから剥ぐことになったのですが
考えてみたらこれ お墓なんですよね 被葬者からしたらえらい迷惑
ですね 綺麗な絵がかいてあったばかりに永き眠りの地が解体されてしまったわけです この方に限らず、昔の富裕層の方のお墓は宝物目当ての
盗人から、学術調査やらなんやらで日の本に晒されまくっているわけで・・
なんか少し意味合いはずれますが 大事MANブラザーズの
「高価な墓石を建てるより〜安くても生きてる方が素晴らしい」
のフレーズが頭をよぎりました
貧乏人だったらほっといておいてもらえたものを・・
平民万歳 平民は小さなことで大きな喜びを感じて生きていけば
いいじゃないですか
例えば なんて空が青いんだ!とか
実にいい天気でした 資料館の芝生の庭は清清しく
普段もたいして都会にいるわけではないですが
空気の美味しさに感動しながら 昼ごはんを食べたりしました
なんか贅沢な気分になりました
庭には飛鳥の謎の石造群のレプリカが立っております
これは須弥山石です
これはけっこう有名です
が結局何なのか確たる事のわからぬ像です
抱擁しているということで子孫繁栄か?とか云々いろいろ
いわれてますが
私のぱっと見の見解は
これは酔っ払いのおっさん二人組みを現したもので
別にそれ以上も以下も意味とかない
ですね なんか口から水出てるし
マーライオンの前進か?
注意書きに「この水を飲まないでください」と書いてありましたが
書かれるまでもなく飲みたくないですよ
という感じの飛鳥でした
当麻寺練供養 5月14日 先日 奈良の葛城群の当麻寺の練供養という行事にいってまいりました
当麻寺の練供養は 毎年5月14日に行われている祭りです
観音菩薩、勢至菩薩ら二十五菩薩が、当麻曼荼羅を一夜で織り上げた
という伝説の人・中将姫を迎えに行き、極楽へ導くありさまを我々現代の唯人に再現して見せてくれるという行事で
ございます
寺の境内に長さ110メートルもある、来迎橋という橋が
この行事の為に建てられまして
そこの上を仏コス・・いえ 仏の仮面を被った方々が渡り歩くという
仏好きにとってはディズニーランドのエレクトリカルパレードのような
夢いっぱいの素敵イベントです!
楽しみにしていました 練供養です
学生時代以来で7年ぶりでしょうか あの時は初めてだったので
(ギャー!仏が列成して歩いてる!!)と大フィーバーして
デジカメで取り捲ったものです 素晴らしい写真が撮れたものです
そいでもってその後
家電をフィーリングで操作する私は、デジカメをいじっていたら
(フォーマットしますか?)と出てきたんで
(タダでやってくれるなら よくわからんがやってもらおう)
ポチッとな・・・・
という事で思い出は現像する前に天に召されたのでした
しょっぱい思いを引きずって生きてきた7年はこれでおさらばです!
いざ!
練供養は4時からでしたが 他に時間を潰せるところも無く
(ホントになにもないですよ)
早く来たのですが 予想外の賑わい 屋台も沢山で出てまして
子供もウヨウヨ もしかして小学校は休みにしているのかもしれません
そして 全く知らないでいたのですが 偶然にも遭遇
あのわらしが前座に!!
ええと なんだこれは・・
いろいろ突込みどころが多かったのですが
まず 彼等が出てくる以前の待ち時間のBGMがオシャレカフェ風だったの
からして妙だったのです 寺なのに
そして曼荼羅堂の影から、あのラクダ色がチラチラと見え隠れし
登場・・女の子キャラは誰かと申しますと
葛城市の新キャラだそうです 中将姫のキャラだそうです
今日は練供養のプレイベントでせんとくんと初デートだそうです
ああ 売名行為か・・と思われるかもしれませんが
彼女 売名行為云々の以前にまだ名前が無い・・
もう中将姫でいいじゃん って思うんですけどね
ただいま名称募集中だそうです どうせ 中子か姫子かに落ち着く
と思いますけど
さて 初デートという事で 曼荼羅堂の前でお披露目で終わりと思いきや
まさか!!これから仏たちが歩く来迎橋を先に歩きよった・・あーあ
いいのか?信心深い方々は何を思うのか
おまけにBGMがビート調だし ここの音響やってる人は
なんか・・へんだ
ちなみに両隣のおじさんたちは奈良の偉い人と葛城市長さんです
暑い中お疲れ様です キャラTシャツまで着て・・
さて デートとは何ぞ?という疑問を残し
その後しばらくして やっと始まりました 菩薩様たちのお出ましです
稚児行列とかありましたが ああかわいかったね で片付けます
他所の子だし
ほら!人が菩薩と腕を組んで歩いていますよ!
なんという微笑ましい光景でしょう!
仏と人が共に歩む・・なんという幸福な光景なのでしょうかこれは!!
他の人がどういう思いで儀式を写メで撮りまくってるかは知らないですけど
私は盛り上がっておりました
7年前と仏様たちはなんら変りませんが
私等娑婆の人間の光景は変りました おじいさんおばあさんも
写メを使いこなしております 時代はうつろうものなのです
菩薩様たちは列を成し ゆるゆると曼荼羅堂から東の娑婆堂(現世を
表わしています)を中将姫の魂を迎えに進んでいきます
二十五の菩薩様たちと天童らが行くのですが
主役は観音、勢至、普賢の三菩薩さまです
他の菩薩たちは人と(たぶん地域の人)腕を組んでゆるゆる行くのです
多分仮面や装束の重さで相当動きづらいのだと思います
実際(お面きついわ)的な動きをしてた菩薩もいましたし・・
しかし 3菩薩は他の菩薩とは別格!
見よ!このダイナミックな動き 同じ装束を着ていながら!
友人は「かっこいー!!」と申しておりますが
この子 確か七年前は「か●ちょーの動きだよ!アハハ」と言っておった
あの罰当たりが、大人になったのだねとしみじみ思いました
でも まあそんな動き 手を合わせて体全体で上下に動きながら進むのです
この方は観音菩薩 蓮華座を振り下ろしては救い上げる動きをしております
このお二方はずっとこの動きをしながら110メートルを往復するのです
中の人はいない事になってますが
どうしても中の人のことを思ってしまいます 裾から見える肌色の足首が・・いやがおうにも ・・・がんばれっ
娑婆堂で中将姫の魂を蓮華座に乗せた菩薩達は西方浄土へと
戻っていきます・・
こちらへ・・来るよ!!
そしてフレームアウト・・たなびく布が美しい
かつて、か●ちょーと言われた方も戻っていきます
ちなみにこれは拝みの仕草でございます 本当かっこいい・・・
ああ 行ってしまわれる 西方浄土に還ってしまわれる・・
と なにやらBGMが 喜多郎のシルクロードです!
七年前もこれがかかっていたけれど 本当にぴったりです
なんだかとっても感動的に!! さっき音響の人ヘンとか言ってたけれど
訂正です これは素晴らしい選曲だと思います
こう・・おじいさんと仏ってすごい味のある絵だと思います
実はこの後に茶髪のサーファー風のイカした兄ちゃんと腕組む仏
サングラスのドンっぽいおじさんと腕組む仏 というすごい組み合わせが
あったのですが 万が一本人にばれたら宜しくないので控えます
地域密着って微笑ましいですね (茶髪 サングラスもOKなんですね・)
この地域に住んでいる方々は
「オレの父ちゃん 今年勢至菩薩なんだぜ!すごいだろう!」
的な会話をしているのでしょうか
楽しかったです、また行きたいものです
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