第五話 母子家庭は大変なんだぜ!

さて前回までのあらすじ
ヒーロー達は敵(仕事)が来るまでの間、
搾取されながらも、日雇い仕事で辛うじて
生きてきたのであった・・


「でもな!そんなしみったれた昨日とは今日でおサラバだぜ!
待ちに待ってたエモノが来たぜ!絶対に倒す!フハハハ!」
「完全歩合制だから絶対に殺す!明日の電気代のためにも!」
「僕には貴様がお金に見えるんだよ!ヒヒヒ!」


「う・・うわあああ!凄い恐いよ!貴様らの台詞 悪党のものだよ!
しかも地球の平和のためとかじゃないし!
倒すじゃなくて殺すになってるし!アワワ
あ!そうそう あと一人はどうしたんだよ ほら 女子が入ってるもんだろ?」


「う・・ちきしょう話そらせやがって・・デフレンジャーピンクは今日、息子の運動会に行ってるんだ・・」

「ハア?何言ってんの?バカにしてるん?」


「バカになどしていない!!貴様らピンクの苦労を知りもしないくせに!
貴様らのような宇宙で呑気にフワフワしている輩にあいつの事を責める権利は無い!
あいつは30前にしてバツ2の子持ちなんだよ!で母一人子一人で懸命に生きてるんだよ!」


「!!!」


「あいつは二十歳そこそこで最初の結婚をした 
最初は上手くいっていたようなんだが、、
ある日 河童が居る・居ないの論争がきっかけで大喧嘩・・
夫は勢いに任せて(じゃあ見つけてきてやる!)と言って
遠野に出かけたっきり帰って来なかった・・・蒸発ってやつさ
傷心のあいつが次に出会った男は優しいヤツだった
けれど弱い男でもあった 
辻・加護の喫煙・デキ婚が相当ショックだったらしく
引き篭もり、働かなくなってしまった・・
おまけに最近はストーカーに付きまとわれてるし
本当にあいつは苦労してるんだ・・」


「う・・なんて駄目な男達なんだ・・かわいそうだな彼女」



「そういうわけであいつは一人で子供を育てながら働いてるんだぜ
 もちろん 元夫はダメ男なんで慰謝料も養育費も払ってないんだぜ!
 しかも 保育園や保育所が足らないこの昨今 
 夜まで子供をあずけられないから、中々正規雇用で働けないんだぜ
 あいつはパートで頑張ってるんだ しかしパートじゃなあ・・
 知ってるか?母子家庭の平均年収は213万円なんだぜ
(平成18年度)」


「パートで戦隊やってるん?!いやそれよりその年収はきついな・・
 一月あたり20万以下で親子二人か・・これから先の学費とかどうするん?」

「ホントどうにもならねえよ!パートでもな しょちゅう休んだらクビになるし・
・この前なんてな、息子の保育園の学芸会行けなかったんだぜ!
カケル君があんなに楽しみにしてたのにい!お前ら滅多に来ないくせにいつもタイミング最悪なんだよ!
で、今日は運動会なんだよ!アイツは迷ってたけどな、俺が行って来いって言ったんだ。
お前がいなくても絶対倒すから、お前の分も稼ぐからって」

 

「え・・なんかさ なんでそんなにピンクのことで熱くなってるの?
 やたら詳しいし、息子の名前まででてきちゃったしぃ 
 なあ 付き合ってるの?ヒュー」



カアア「よ、、よせやいっ・・な なんだよ 悪いか!!」 

「そうか ダメな男ばかり選んでしまう女と今付き合ってるってことは
 お前もダメ男ってことだな」
「な!ジョニー補佐官 お前!初対面の人になんて事を!」 

「!!!」
予期せぬ刺客の不意打ち攻撃にリーダーは多大なるダメージを
(精神に)受けた 負けるなデフレンジャー!
続く


 
低所得戦隊デフレンジャー5 第六話 俺たちは時代の生贄なのさ!
地味〜に一部に読んでいただいいているデフレンジャーです
最近 デフレンジャーをデブレンジャーと読みまつがい・・
読み間違いしている人がいることに気が付きました・・
違う違う!デフ!デフ!誰も太ってないから!
デフレのデフです デフレーションです!
物価がさがるのはいいのだけれど、企業の利益が減って
賃金の下落や失業が起きてしまう、物悲しい経済状況のことです


さて前回までのあらすじ
なんだかんだで
デフレンジャーのリーダーは思わぬ伏兵、初対面のシカ型宇宙人ジョニーに
ダメ男呼ばわりされた!


「な!なんだ貴様!失敬な オレはダメ男なんかじゃない!」

「ふうん、そんなこと言い切れるのか?大した自信だな
 四年生大学卒業しておいて、現在、日雇い派遣ってナニソレ?
 立派なダメ男じゃん」
「!!おまえ きっついな・・」


「ぐっ 貴様に何がわかるってんだ!オレはなあ・・オレ等の時はなあ
 不景気最高潮で企業が新卒採用してくれなかったんだっよ!めちゃめちゃ
 厳しかったんだよ!オレだって頑張って就職活動したんだぜ!」
解説しよう 就職氷河期に就職活動を行った世代をロストジェネーレーションと呼ぶ
(大卒だとおおむね1970年代から1980年代初頭生まれ)
2003年度大学卒業者の就職率は史上最低の55パーセントだった・・あんまりだ・・
 追伸、連載当初、低所得戦隊ロスジェ5にしようかと思ったがわかりにくかったので
デフレ5にしたが結果よみまつがいを呼ぶ羽目になった どうすればよかったのだろうか  


「ふうん 大変だったね〜 でもさ なんだかんだでちゃんと就職できてるやつも実際いるじゃん 
どうせお前の履歴書、資格の欄に普通自動車免許とか英検準2級とかビミョウなんしか書いてないだろう?
就職難なんてずっと続いていただろう?賢いやつはソレに備えて在学中に企業が欲しがる資格を取ってたんじゃない?」

「む、失敬な!オレはちゃんとヒーロー検定一級取ったんだぜ!
 超難関だったんだぜ!」


「は?ナニソレ?」


「戦隊に入るための国家資格だ!戦闘能力はもちろん カッコイイ跳躍、
 キメのポーズからヒーローらしい照れ笑いの仕方等々、厳しい基準を
 掻い潜ってきた選ばれし者だけが取得できる資格なんだ!
 ヒーロー基礎学なんていう授業もあったな、
 朝イチの授業で出席できなくて落とすやつ続出だったぜ!
 オレは頑張ってノートとったぜ・・大変だったなあ・・
 おまけにリーダーは顔が濃くなきゃなれないという最難関の地位なんだぜ!」




「へー でその資格就職に役立ったん?」

「く・・それが 地方自治体の新規戦隊採用がほとんど無くて・・
 おまけに中国とかアジア圏の安い労働力が流入してきて・・あいつ等
 カンフーとかムエタイとかめっちゃ強いし・・経費節約って事でそっち
 が採用されるし・・ほんともう全滅さ・・しょうがないから一般企業
 の方も受けたけど全然ダメ でなんだかんだでやっと就職できたのが
 ここなのさ、ところがどっこい契約社員だったけど・・ 」



「は?!なにそれ!自業自得じゃん 使えない資格しか持ってないってダメじゃん
 一般企業受けた時、面白い資格だけどウチじゃね〜ハハって
冷笑されたんと違う?大体就職厳しいだなんて在学中からわかってただろうに
 どうせお前は、スーツ着てなんだか頑張ったらどっか決まるだろうって
甘く考えてたんだろう?結局はツメの甘いお前が悪いんだよ!時代のせいに
するなバーカ!」
「お、お前、手厳しいな・・」

「う・・ちくしょう オレだって頑張ってたんだぜ・・」



「へっ いくら頑張ってもなあ 結果が伴わなきゃ何の意味もないんだよ!
 大体お前 頑張ったっていっても どうせ 自分のやりたい事しかやってないし!
やりたい事やってきて今のこの状態、自業自得だな!
 お前は自尊心ばかり強くて何も無いんだよ!このオタンコナスめが!」
「オイオイ、泣きそうだぞ もうやめとけって」




「ううう ちくしょう お前の言うとおりだよ!」


「そうだ この貧困はお前の今までの甘い生き方の結末だ!受け止めろ!
 大学に行くのにいくら金がかかったんだ、この学費ドロボー!
 親に謝れ!
 わかったら 私はダメな人間です と言え!」
「・・お前は鬼か?」


「うう・・私はダメな人間です・・」

「言いおった・・」


「うう もう帰りたい・・お家に帰って布団の中に潜りたい・・」

デフレンジャーのリーダーが心理攻撃でまさかのノックアウトか?!
いいのか 半年振りの仕事なのに!勝たなきゃ給料無しだぞ!
立ち上がれデフレンジャー! 続く
今回のネタは書きながら非常に自分の耳が痛くなりました・・
布団の中にもぐりたい・・

 

第七話 裏切りのララバイ!それでもオレは生きる

 

あらすじ
デフレンジャーレッドはドSジョニーの容赦のない
攻撃を受けてとってもかわいそう・・もうだめか?


「オレのこれまでの人生・・何も成さず・・築かず・・ブツブツ・・」

「おい!お前しっかりしろよ!学校ってところはさ
 就職するためだけの所じゃないだろう?!他に
 何か大事なものを得ただろう?」
 キモ提督はとても良いことを言った!



ハッ 「そうだった!・・デフレンジャーみどりみのあお・・
  あいつは大学入学以来の親友!共に学び 共にノストラダムスの
  予言に怯え 共に2000年問題に怯え 共にテポドンに怯え 
  ともにヒーローになる夢を語り合った10年来の友!」

「あいつに出会えてよかった!!・・・」


「そうだ!それにお前には素敵な恋人も居るじゃないか!」
 (見た事ないけど)




「そうだった!デフレンジャーピンクはオレの辛い日々の唯一の光明!」


「そうだよお前に無いもないなんて事はないんだよ がんばれよ!」



「あのさ・・・盛り上がってるところ悪いんだけど
 なんかヘンなんだよね・・ピンクってさ
 僕とつきあってるんだけど」

「ハア?何言ってるのデフレンジャーからし色?
 あれ?アイツに双子の妹とかいたっけな??」


「あっはは!アホかお前!普通に考えて二股かけられてるんだろうお前等」


「?!!!!そ、、そんなばかなっ!」

 

「ぎゃあああ!!うそだあああ!!あんまりだああ!」



「あんまりだああ!」



「ちょっと なんでお前がそんなにショックをうけてるんだよ!」



「だって・・だって僕も好きだっんだ〜 電話をしても喋ることが出来ないくらいに!
いつも柱の影から見守っていたのに!
こっそり部屋に入って部屋の掃除とかしてあげて尽くしてたのに!あんまりだ」



「お前だったのかストーカーは!」



「ストーカーっていうなよお、忍ぶ恋といってくれよお」



「だまれこのクズが!この蛆虫め懲役くらいやがれ!」


「ヒャハハ!底辺の人間がさらに底辺の人間を叩いてやがるよ!
 社会の縮図だね!滑稽滑稽! 
 それより気になったんだけどさあ その今度結婚するっていう
 みどりみのあお の相手って誰なん?知ってるの?」



「?!!!!」
(そういえば 頑なに教えてくれなかった・・なんか子持ちって言ってた・・)







「ぎゃああああああ!!あんまりだあ酷すぎるっ!」




「彼女は一番将来のありそうなやつを選んだって事か!賢いなあ
 まあまあ彼女もいろいろ大変だったみたいだし、保険みたいなもんが
 必要だったのさ、選ばれなかったのはお前等がダメ男だったからだな
 彼女は悪くないな うん お前等がダメなんだ
 ああもしかして そもそもピンクはお前らとつきあってるつもりなんて
 全然無かったりして!おまえ等が勘違いしてただけじゃない?
 はっはは 滑稽なひとりずもうだなあ!」
「ジョニー・・もう かわいそいうだから やめてあげて!」



「・・・・」


「お前は十年来の友人と唯一の光明とやらを
 この数秒で失っていまったわけだね!すごいなあ
 正真正銘なんにも無しになったなあ、お前の今までの人生は
 虚構だったな」
「ジョニー・・お前はどうしてそんなに性格が悪いんだい?」



「・・・・」

「?え?何立ち上がってるの? 無為無駄の人生を送ってきたダメ男
 のくせに」



「過去なんてどうでもいいんだよ!」




「何言ってるの?お前は根無し草だというのに
 お前の同級生には、スーツ着て会社行って結婚して子供が二人ぐらいいて
 ボーナス貰ってマイホームとか建てているやつがいるんだよなあ、情けないよなあお前」
「まだいうの!?」


「ふん!もう何を言っても俺には効かないぜ!
 もう済んでしまった過去はどうにもならないぜ!
 ・・・考えてもどうしようも無い事だから考えるのを辞めたぜ!」


「む・・開き直りやがったな」


彼とて伊達に苦境を生きてきたわけではない!

続く