単発漫画 UFO召還 2009.12.17 著

 

「UFOが来たよ!遂に呼んだよUFOを!」
「やった!ついにやったよ!」

 

僕等は富田と松尾 略してトミーとマツ
学生時代のUFO研究会サークル以来の親友だ

学生時代よりUFO召還に試みる事40年・・
仕事の合間を縫い、家族に白い目で見られながらも
試みる事40年・・
サークル仲間が一人減り、二人減り・・
とうとう僕等だけになってしまった(いや、死んだわけじゃないヨ)
それでも諦めずに召還する事40年・・

遂に・・遂に 僕等の悲願が達成されたのだ!!

「ハイハイ、来たよ シカ星人のジョニー様だよ」

「鹿に・・似てるな!」
「うん!似てるな!」

 

「で、何のようなわけ?」

???!
「え?」


「え?って? 何?なんか用があるから呼んだわけだよね?」


「え・・と あの来ていただけただけで感無量なわけでありますが・・」

「はあ? え?何?用も無いのに呼び出したわけ?
 宇宙人に聞きたい事とか知りたい事とかなんにもないのに呼び出した
 っていうこと?  
 一万光年先から呼び出されたのに、呼んだだけって・・
 おまえらナメてるの?
 お前等あれだよ、ほら、イタズラで救急車とか呼んじゃうやつら
 あれと同じだよ!ふざけんな!!私のご足労をなんだと思ってるわ   け?! あ、これちなみに水素爆弾」


「え!ええええ! ち、違います あります
 ありますとも ジョニーさんに伺いたい事」

「そう?じゃあ早く言え」

「トミー がんばれ」

「マツ!お前!・・え・・えええ 
 あの、・・私には38歳の長男がいますが 
 未だに結婚出来ないんです どうしたらいいんでしょか?」


「知るか」

「ええええ?」

「お前の息子なんかどうなろうか知ったこっちゃ無いわ
 そもそも、自然淘汰だ諦めたら?
 てゆうか そんなくだらん質問の為に私を呼んだの?
 一万光年彼方から呼んだわけ?
 ・・ちなみにこの水素爆弾は地球ひとつ軽く粉にできるよ」

「ひいい! ち、違います
 私はほんの前座で・・・マツ、がんばれ!」


「え!・・・ええええ〜」

 


「早く言え、下らない事だったら使ってみちゃうぞ、コレ」


「せ、世界ははこれからどうなるのでしょうか?!」


「なるようになるんじゃない?」


「え?えええええ〜」


「お前等、宇宙人を神様だとか予言者だとかと勘違いしてない?
 私はシカ星の平凡な成人で、それ以上でもそれ以下でもないわ!
 あ、そもそも何で私お前等の質問に親切に答えてやったりしなくちゃ
 ならないんだ?わざわざ呼び出されながらなんでそんな
 サービスをしけたおっさん等に・・
 そうだよな、サービスするよりされる側だよな 私、

 おい、お前等 宇宙人様呼び出しておいて
 なんの手土産も無し・・なんてことないよな?
 この水素爆弾のスイッチはワンタッチで楽々だよ」


「ええ!? あ、ありますっ ありますとも
 ただ、ちょっと家に忘れてきただけであります!」

「フーン そう じゃあとってこい、10秒以内に」

「トミーガンバレ!」

「え?! ええ マツ、おまえ!」


10秒後

「はあはあ、・・も、持ってまいりました」

ガッ

「なにこれ?ふざけんな!これ去年のお歳暮の残りじゃん
 しかも、エ●ナ油のセットって・・特保取り消しじゃん!
 ざけんな!!」

「ひいい、すみません 〜 慌てていろいろ間違えました〜
 ちゃんとした物はマツが持ってきます〜」

「え!ええええ トミーそりゃないよ」

「ほうほう、そうか マツとやら行って来い
 地球の全てはお前に懸かってるんだってことを忘れんなよ
 ハイ 10秒・・」

10秒後

「ハアハア・・・・こ、これを」


「ん?ナニコレ?
 太鼓が三つ連なってて、三つに枝分かれしたバチで叩くのか?」

「マ!マツゥ! お前・・よりによって なんで
 だいじょうぶだあ太鼓なんて!! てゆうか、まだ持ってたの?!
 ち、地球は もう・・終わりだあああ!」
「ヒイイ ごめんよお プレッシャーに負けて
 わけのわからない判断をしてしまったよお 許してぇ〜」

「そうか、三つ同時に叩けるってわけか
 地球人にしては頭イイ事考えるじゃん
 よし、貰ってやる
 じゃ、今回はこれで許してやる 優しいだろ?
 今度呼び出すときはもっといいもの用意しとけ
 それじゃご帰還しますわ、アバヨ」

「「ハー・・・・・」」
「行ったな・・」
「ああ、行った」

「もうUFO呼ぶのは辞めような」
「うん、絶対」

以上です
何が言いたかったと言うと・・

きっかけは、以前お客様とUFOトークで盛りあがり
なんとお客様はちょくちょくUFOを見たことがあるとおっしゃいまして

で、私が
「羨ましい!私も見たい、むしろ宇宙人に会ってみたい」
といったところ
お客様に
「それじゃあ、来た時に聞く事用意しといたほうがいいよ」

と言われ、ハッとしたのです

そういや、そんな事考えた事も無かったし
そういや 宇宙人に質問したい事も取り立ててないような・・
むしろ美輪さまの話のが為になりそうな・・


そんな生半可な気持ちで呼ぶだけ呼んで、別に用がなかったら
非常に感じ悪いのではないかと・・

と非常にどうでもよい心配をして
おん祭りとか、客注とか
年賀状も描いてないのにこんなの描いてしまいました

みなさん、有事にそなえて宇宙人への質問とか考えておきましょう!